Champion’s watch

少し前の話ですが
2008年全日本MX最終戦のIA2ヒート2のチェッカーが振られた瞬間
僕はオーストラリアから観戦に来たTKの父、勝谷さんの隣に居ました。

おめでとうございますと声をかけようと思ったが、かけたかどうかは覚えていない。
勝谷さんはTKがチェッカーを受けた瞬間からなぜか何も言わず渋い表情で腕時計をカチャカチャいじり続けていた。
どうやらベルトの長さを調整している様だった。
レース中も殆ど口を開かず、ひたすら静かだったがヒート2が4位でのチャンピオン決定が気に入らなかったのだろうか?それとも本当は嬉しいけど照れ隠しなのだろうか?

表彰式が終わる頃ようやく勝谷さんが声を発した。
「これあげようと思って」
手にしている時計は良く見るとロレックスだった。


モトクロスの為に家族でオーストラリアに移住して20年の勝谷さん一家
人生にこんな瞬間を持てる人はそう居ないと感じた。

ケンモクタカトシ

見目隆俊(ケンモク タカトシ)と申します。 グラフィックデザインの仕事を生業としていた時もありましたが、現在は色々やってどうにか暮らしてます。 若い頃はモトクロスにどっぷりハマっていました。オーストラリアに住んでモトクロスレースに出たりもしていました。 (ただのアマチュアライダーです) 現在左足大腿部に高分化脂肪肉腫(硬化型)という病気があり治療中です。

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フィードバックはありません

  1. だいちゅう より:

    感動致すお話ありがとうございました。

  2. kemmoku より:

    >だいちゅうさん
    コメントありがとうございます。
    自分の好きなモトクロスで、こんなシーンに出会えて良かったと思っています。

  3. hituji より:

    良いストーリーだね。
    こんなストーリーに出会うことすら稀だから…。

    ノンフィクションのムービー作品を作ったらいかがですか。
    きっと、良い作品が出来ると思いますよ。

  4. Kemmoku より:

    どうも、どうも

    そう言うのできたら良いでしょうね!

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